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「JUDGE EYES:キムタクが如く」で学べた「抽象化」の力

「JUDGE EYES:キムタクが如く」を買って楽しく遊んでいるときにぼんやり考えた事を書いてみる。

JUDGE EYESとは

龍が如く」シリーズで、実在の俳優などの顔でモデリングされたキャラクターがメインキャラとして登場するゲーム。たけしとか宮迫とか。
本作JUDGE EYESには木村拓哉が登場する為「キムタクが如く」と呼ばれていたりする。

JUDGE EYES:死神の遺言 新価格版 - PS4

ピエール瀧」逮捕事件による影響

本作には元々ピエール瀧が登場していた。
ピエール瀧が薬物使用により逮捕される事件」が発生し販売停止に陥ったが、後日ピエール瀧が演じているキャラクターの顔と声が別人に差し替えられ販売が再開された。

顔の差し替えが必要だった

通常のゲームであれば、声優を使用し役者の顔を直接使ったりしないため、こういった状況が発生しても顔の差し替え作業は発生しない。
今回は役者の顔をゲーム内で「直接」使用していた為、差し替え作業が必要になった。

ゲームのシナリオには修正は不要だった

顔や声に差し替えが必要だったのに対し、シナリオには修正が一切いらなかった(はず)。
なぜなら、シナリオではピエール瀧を「羽村京平」という人物として描いていたから。

もしシナリオでも「ピエール瀧」として扱い電気グルーヴに関連するストーリーを盛り込んでしまっていたら、修正作業はシナリオにまで広がり再販まで至らなかったかもしれない。

シナリオにてピエール瀧は「抽象化」されていた

シナリオ内でピエール瀧は「羽村京平」というヤクザとして描かれていたのだが、これは抽象化である。
ピエール瀧が演じてはいるが、シナリオ内ではそれを「羽村京平」という人物として扱っていた。だから、役者が別人に変わろうとも、シナリオには影響がなかった。

ビジュアル面では「抽象化」を行っていなかった

羽村京平」の見た目はピエール瀧そのものだった。
ここでは抽象化をおこなわず、ピエール瀧の顔を直接使用することで、映像はピエール瀧に強依存してしまっていた。
だから全編にわたり、顔の差し替え作業が発生してしまった。

システムに置き換えて考える

ライブラリ(ピエール瀧)をドメイン(ビジュアルムービー)の中で直接使用していると、そのライブラリが薬物を使用して逮捕された場合、別のライブラリに差し替えるにはドメインの使用箇所すべてに対して置き換え修正をいれなければならない。

ライブラリ(ピエール瀧)をドメイン(シナリオ)の中で直接使わず、インターフェースを備えたラッパークラス(羽村京平)でラップして使っていた場合、ラッパークラスの内部に手を加えるだけで入れ替えが可能。

これが抽象化の力である。